BRAND - TARDANとは
メキシコの総合帽子ブランド「TARDAN」は、1847年の創業以来、常に国内外へ向けて創造的な帽子を提供し続けています。老舗の誇りともいえる伝統的な帽子制作を続ける一方で、アバンギャルドなデザインに挑戦するユーモアを持ち、多様なファッションで人々を楽しませています。
TARDANの企業理念は、意欲的に技術革新を行い、お客様への尊敬と温かいサービスを忘れず、誠実さと責任を持つオープンなコミュニケーションを大切にすることです。160年以上かけて守り続けたこの理念が結実し、TARDANの名はメキシコが誇る一大ブランドとして広く認められています。
TARDANの歩み
1847年 ― TARDANの創業
観光客で賑わう現代のメキシコシティ。国立宮殿周辺には、コロニアル時代の荘厳な建物が立ち並ぶ。
1846年、テキサスの所属をめぐり火蓋を切ったアメリカ・メキシコ戦争（米墨戦争）は、1848年のグアダルーペ・イダルゴ条約により、メキシコの国土の1/3をアメリカに割譲する形で終結を迎えます。
戦争の勝敗を決定づけたのは、1847年「メキシコシティの戦い」における首都メキシコシティの陥落でした。米軍は国立宮殿に翻るメキシコ旗を降ろし、勝利宣言と共に星条旗を掲揚します。
TARDANのロゴには、1847年創業の文字が刻まれている。
メキシコにとって逆境の時代であった1847年の最中、TARDANの礎となる帽子店が産声を上げました。
米墨戦争による損失はメキシコに大きな打撃と混乱を与えますが、同時にこの地で各国の文化や経済が交差し、帽子を含む様々な商取引が活性化して新たな繁栄をもたらします。この時代は転換期であると共に、メキシコの新たな美学が大きく発展し花開いた時期でもありました。
1870年になると、フランスから移住したフランシスコ・ダレーが前述の帽子店の他、別の著名な帽子店を買収・統合し、現TARDANの礎となる帽子ブランド「Pellotier」を設立します。Pellotierは成長を続け、厳しい経済競争を耐えうる十分な資本を貯えてゆきました。
1880年 ― TARDAN兄弟によって訪れる転換期
外出の際、老若男女、特に女性とって帽子が必須となる時代の中で、Pellotierは国内最高の帽子店として高い評価を得ていました。
19世紀頃の店舗の様子。当時から国内最高の帽子店として高い評価を得ていた。
1880年、フランス・ボスダロの村に生まれた18才の青年カルロス・タルダンは、新しいチャンスを求めてメキシコに渡りました。
メキシコの首都にあったコーヒーショップでウェイターとして働いていた彼は、先述の帽子店Pellotierでフランシスコ・ダレーと運命的な出会いをします。
フランシスコ・ダレーとカルロス・タルダンは、Pellotierに新しい事業の可能性を見出し、共同でこの事業に専念します。
その15年後、二人は、時代の移り変わりと共に派生する新たな流行と技術を積極的に習得し、挑戦と成長を続けたいという熱意の元、若い起業家の力が必要になると判断しました。
そこで、カルロス・タルダンの兄弟オーギュスト・タルダンとビクター・タルダンをパートナーに加え、若い感性をもって事業の発展を図ります。
TARDANの発展を支え、偉大な功績を残した三人兄弟。
この目論見は大当たりします。
1899年、同社は兄弟が舵を取って着実に業績を伸ばし、未だかつてない収益の記録を樹立します。これを機にカルロス・タルダンは引退を決め、二人の兄弟に会社を託します。
国際化が進む情勢の中、二人は国内生産だけでなく輸出入にも力を注ぐ事が重要と考えました。この目的のため、また各国の技術やデザインを学ぶため、兄弟は甥のチャールズや息子のピエールを事業に加え、イングランドやドイツ、イタリアで積極的に最新技術を習得させます。
第一次世界大戦以降、TARDANの生産体制はより洗練されてゆく。
第一次世界大戦の終わり頃になるとこれらの努力が実を結び、工場は革新的な近代化を終え、TARDANは益々の発展を遂げます。この近代化は、TARDANにおける帽子生産体制の大きな礎石となりました。
「TARDANの帽子はユカタン半島に響き渡る」とのフレーズは、二十世紀初頭以来、工場で謳われていたスローガンです。これを旗印に人々は結束し、誇りを持って帽子制作に携わっていました。
このフレーズはメキシコ国内の有名なスローガンを代表する一つであり、一致団結をもたらした大きな成功例と言うことができます。
1920年 ― 世界的ブランドへの成長
TARDANの名はその品質と共に益々広まっていった。
1920年代になると、同社はTARDANとしてのブランド戦略を高めてゆきます。
TARDANは、闘牛場での広告、新聞、ラジオ番組等、様々な媒体で宣伝を展開します。
宣伝が功を奏し、デザインと品質に裏打ちされたTARDANの名は、他の帽子ブランドとは一線を画すものとして着実に広まってゆきました。
戦後1920年頃から、TARDANはいっそうブランド戦力を強めていく。
最も古いタルダンの商標登録は1904年11月23日ですが、その後1960年から1970年代にかけて、グアテマラ、ホンジュラス、コスタリカ、ニカラグア、エルサルバドルでも次々と商標登録を行います。
これは帽子の偽造対策に加えて、アメリカのステットソンやイタリアのボルサリーノら名だたるブランドと競合する市場で、一歩も引かぬ魅力を持つ製品を提供し続けようというTARDANの構えを表明するものでした。
この努力は成功し、今日、米国において、特にヒスパニック系コミュニティを中心に、TARDANの帽子は広く知れ渡っています。
TARDANが製造する帽子、中でも高品質のウール帽は、国内外で高い評価を獲得するようになっていきます。1959年に同社はTakeとTARDANに分かれ、1976年になるとカルロス・タルダンの息子ペドロ・タルダンがTARDANの事業を引き継ぎました。やがて古い工場は売却されますが、ウール帽の製造は積極的に続けられました。
1994年から1998年の間、ウール帽は着実な人気を博し、TARDANは銀行融資に頼ることなく利益を維持し続けました。この成功は、帽子の品質を認めてくれた顧客や企業のおかげであるとし、TARDANは今日も伝統的なウール帽の生産を続けています。
21世紀初頭 ― 今日のTARDAN
現在のTARDANのショールームには、バリエーションに富んだ帽子が並んで人々を楽しませている。
21世紀初頭から、TARDANは帽子製造に地元メキシコの素材だけでなく、海外からの高級インポート素材も取り入れるようになります。
かつて頭部を保護する衣類として発祥した帽子は、その役目を保持しながら、今日では着用する人々の見た目を大きく左右するファッション・アイテムとしても成長を遂げました。
TARDANは21世紀の幕開けと同時に、多様化するファッションへのニーズに応え、既存の枠を超えた帽子で人々を笑顔にするため、多種多様なスタイル・素材の帽子を幅広く手掛けることを改めて誓いました。
季節ごとに様々な帽子が並ぶTARDANのショールーム。
現在、TARDANのショールームに訪れた人々は、バリエーションに富んだ多彩な帽子に圧倒され、選ぶ楽しみを味わいながら暖かい接客を受ける事ができます。
メキシコの歴史と一緒に成長し、160年を超える伝統を懐に抱く老舗帽子ブランドTARDAN。伝統的な帽子を守るとともに、これからも革新的、創造的な帽子を生み出す最先端の企業であり続けることでしょう。
TARDANのショールーム
TARDANギャラリー
TARDAN CEO Luc Tardan からのメッセージ
TARDAN CEO：Luc Tardan
TARDANが生産過程において特に気を使っていること
質の高い帽子を生産するために、まず最高品質の素材を取り揃えています。また生産過程においても細心の注意を払って、完璧な帽子を作り上げております。また、オートクチュールのように、手で仕上げを施しております。
TARDANのブランドの特長
TARDANでは、それぞれのスタイルと特徴を持った多くのモデルを扱っております。自然繊維のものから羊毛フェルトまで扱い、紫外線対策から寒さを守ることまで、お客様それぞれの目的に合わせてご提案しております。また自然素材の良いところが反映されるように工夫しています。「自然」がTARDANの特長なのです。
TARDANのブランドの強み
TARDANという商標を登録したのは117年前ですが、設立は1847年メキシコで、170年の歴史を持っています。また幅広い使い方やいろいろな機会にお使いいただける、様々な帽子をご提案していることです。私達はいつでも、お客様の心地よさやデザインにおいて、つねに「質を高める」ことを追求しています。
日本唯一のTARDAN専門店
当店は、メキシコから厳選して直輸入したTARDANの帽子を皆様にご紹介する、日本初のTARDAN専門店です。
長く楽しめる品質に、バランスの良い価格。
職人の妙技が冴えわたるTARDANの帽子は、帽子愛好家はもちろんの事、帽子初心者にもぜひお試しいただきたい掘り出し物の名品です。
メキシコ屈指の老舗帽子メーカーTARDANの、その名に恥じぬ見事な仕事ぶりを、製品を通してぜひご自身の目でお確かめください。